2016年11月11日

「技能」なのに?

こんばんは、へっぽこ妻です。
前回、予備自衛官補の招集訓練に参加し、無事に「補」が取れたとご報告しました。
今回はその内容というか、具体的なことではなく私が疑問に思ったことや悩んだことを書いておきます。

私は看護師で「衛生」で合格しました。
他に医師・歯科医師・弁護士・薬剤師・IT関連・電気・通信・建築・語学など様々な職種の方が参加していました。
前期の訓練では、部屋も班も色々な職種が混ざっていて班員も同じくらいの人数にそろっていました。
その前期訓練は、「予備自衛官補募集のサイト」をご覧いただければわかるように「基本教練」「野外勤務」「特殊武器防護・野外衛生等」などが多く、その中に「職務訓練」もありました。
初日に被服などの受領をしてこまごまとしたことをやったあと、午後からはいきなり基本教練に入ります。
それが思っていた以上に厳しくてびっくりしました。
「自衛隊なのだから当然だろう」と思う方もいらっしゃると思います。
私もなめていたわけではありません。
もちろん、ある程度は覚悟していたつもりでしたが想像より厳しかったです。
ただそれはまだ序の口で、訓練の内容の厳しさよりも「自衛隊員としての心得」のような部分に対してのほうがより厳しかったです。
「時間を守る」「服装をきちんと正しく着る」「5分前行動を心掛ける」。
社会人として当たり前のことのように感じる方も多いでしょう。
しかし私自身も社会人として、上記のことは普通に今まではできていました。
待ち合わせ場所には、電車の遅延などを見越して40分以上前についておくとか、身だしなみなどもTPOに合わせてきちんとやっていたつもりです。
しかし、訓練での「時間」は分刻み、1分2分の戦いなので、いつも40分以上前について余裕を持って行動する、という私のスタンスはまったく通じず、とにかく時間に追われ、常に走ったり小走りで動かざるを得なかったです。
10分の休憩をもらっても、5分前行動という原則があるので実質、動けるのは5分。
その間に、外の訓練場所から隊舎の中にある階段を上ってトイレに行って、水分を補給して戻って、元の隊列に並ぶ・・・。
実質、片道2分半で行動しなければなりません。
それを考えると、訓練で疲れ切っているときは「もうトイレはいいや、水もあとでいい」となり、10分の休憩(実質は5分くらい前には集まりはじめるので5分くらい)は座り込んでへたっています。
その間にも、ブーツから出てしまった裾を直したり、襟が立っていないか、ボタンは閉まっているかなと被服の点検もします。
そんな「自衛官としての自覚」を身につけることが前期の主な内容だったと私は解釈しています。
何故時間を守らなければならないのか、統制ができていないといけないのか、その理由はきちんと説明していただけます。
それがわかっても、理解できても(後述しますが、実はこの時点では「理解できてなかった」が正しいです。理解したつもりでしたが、まだまだわかっていなかった)、やはり1分2分の戦いはなかなか手ごわく厳しいもので、特に訓練で疲れた日の点呼などは走る気力が出なくて遅くなりがちで、それでも頑張っていかないと周りに迷惑をかける!と思い、重たい体を引きずるようにして走ります。

そんな前期を過ごしたあと、いったん帰宅しました。
訓練の時期は2年の内に消化すれば良いので、自分の休みの都合に合わせてよかったのですが、私は参加する前は「忘れないうちに後期も受けた方がよさそうだな」と思い、前期終了後3日目から後期訓練の予定を入れていました。
それはあとで結構、後悔したことのひとつですが^^;

帰宅したあと、後期訓練を受けるべきかどうか迷いました。
それは身体がきついからとか、訓練が厳しくて無理とか、そういう理由ではなく。
私は「衛生」として参加しているのに、どうして基本教練や精神教育、服務などの訓練ばかりに特化しているのかということに疑問を持ったからです。
予備自衛官は基本的に「後方支援」です。
衛生の職務訓練でも「予備自衛官の衛生は最前線から一番遠いところ、病院などの設備が整ったところで働きます」と聞いたので、だったらなぜ、こうまでして陸上自衛隊の訓練を受けなければならないのか。思いました。
ジュネーブ条約の第8条でも「衛生兵は自己又は傷病者の防衛の為の武器以外は所持してはならない」と記載があり、基本的に持てたとしても拳銃程度、と解されてる文章も見かけます。
なのに後期の訓練では「自動小銃」を実際に扱い、実弾を撃つ訓練まであるのです。
また、前期ではテントの設営などもしましたし、小銃を持って伏せたり匍匐したりする訓練もありました。
私はそんなことが必要になる場面に行くことがあるのだろうか?という疑問も生まれました。
前線に出ることが嫌だとか、そういうことをしたくないという意味ではありません。
予備自衛官になればこういうことも可能性があるからやっておく、というのならばもちろんしっかりやりたいと思います。
でも前提として「まず前線に出ることはないと思うけれど」と言われて衛生という肩書きを与えられてるわけで・・・
だったら、もっと傷病者に対しての治療や手当の仕方、搬送などの戦闘下での技術習得をした方が良いのではないのかと思いました。
毎日、違う技能を持つ人達や一般の人たちと同じような基本教練を受け、何もかも全員が同じタイミングで同じことをできるような訓練を繰り返すことに、意味はあるのだろうか。
このままこれが続くのならば、私は予備自衛官になっても役に立たないのではないかと思い、悩んでいました。
あとで同期にも聞いたことですが、やはり予備自衛官を志した理由の多くは「東日本大震災」等の災害時に被災した現場や困っている様子をテレビで見ることしかできず、もどかしい思いをしたので、何か自分も役に立てればと思い志願したという方が大半でした。
そしてそのように「自分の技能を生かしたい」と思い、技能職で応募して訓練に臨んでいた方の多くが、私と同じような疑問を持っていました。
「技能なのに、なぜここから?」「技能の職務訓練よりも基本教練のほうが大事なの?」「何故、銃を持つの?」などなど。

私は後期訓練が始まるまでの2日間の間、ずっと考え、悩んでいましたが答えは出ず・・・そのまま結局、筋肉痛の残る身体を引きずりながら始発電車に乗り、駐屯地へ向かいました。
後期の訓練を受け、それでも答えが出せなかったらその時にまた考えればいい。
とにかくやると決めたことは、やりきろう。
そんな気持ちでした。

そしてこの疑問は後期訓練を受けた時、解決しました。
また長くなってしまったので、後期訓練の話はまた次回に続きますが、技能で予備自を目指している方の多くが同じような思い、疑問をもっていらっしゃったので、今後、技能を生かして何か役に立てればと思っている方々へ少しでも参考になれば幸いです。
きっと、一般で受験される方よりも、技能職で受験された方の方が疑問や不安に思うかもしれないです。
でも大丈夫。次回のブログで私なりの解釈を書いておきますので、ぜひ参考になさってください。

そしてお土産の続き。
「ヒゲの隊長キューピー」知る人ぞ知る、かしら。
「技能」なのに?

あと裁縫をする機会は結構あるので一応、裁縫セットを持っていったのですがさすが駐屯地で販売しているものはちょっと違います。
OD色なのはもとより、なんと糸もOD色があるんです。
「技能」なのに?

普通の裁縫セットだと、白・黒あたりがメインで、あったとして赤とかくらいではないでしょうか。
これは、買いです!



※このブログに掲載の内容はすべて東京地本広報課の許可を得て掲載しております。




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Posted by 咲良レイ  at 19:00 │Comments(0)予備自衛官

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